『人を動かす』を読みました。自ら動きたくなるような気持ちを起こさせるには、重要感がカギ

とても有名な本だけれども、ちょっとした偏見を持っていて手に取っていなかった「人を動かす」というカーネギーさんの本を読みました。

どうにもこのタイトルから、悪い意味で相手をこちらの意のままに操るノウハウ集みたいな印象を受けていて、本屋で見かけてもスルーしていたのですが、読んでみたら普通に人間関係のいい話の本でした。

今回は、その中の一部、印象に残った箇所を書き留めておこうと思います。

 

重要感を持たせる

この本は、

・人を動かす三原則

・人に好かれる六原則

・人を説得する十二原則

・人を変える九原則

の合計三十原則が紹介されています。

一番印象に残ったのは、人を動かす三原則の中の「重要感を持たせる」項目でした。

カーネギーさん曰く、「人を動かすには、自ら動きたくなるような気持ちを起こさせることが必要」であり、そうさせるためには、「重要感を持たせる」ことがキーとなります。

なぜかというと、この自分が重要で価値ある人物だと思いたい、という欲求は、食欲や睡眠欲同様に根強い物である一方で、なかなかめったに満たされないものであるからだといいます。

心理学者のウィリアム・ジェイムズさんの「人間の持つ性情のうち最も強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである」という言葉もあげて、人がいかに重要感を持ちたがっているかということを主張していました。

それでもって、自己の重要感を満たす方法は人によって異なり、そこにその人の性格が表れるといいます。

ボランティア活動的なもので満たす人もいれば、泥棒・銀行破り、殺人といった犯罪で自己の重要感を満たす人もいる。

犯罪の動機に、自己の重要感への渇望がある、というのは興味深いですね。

それでもって、「人間は、何か問題があってそれに心を奪われているとき以外は、たいてい自分のことばかり考えて暮らしているよ」であったり、「人それぞれ、自分の世界の中で自分が重要な存在だと思って生きているよ」なんてことを言っています。

これも面白いなと思いました。外側からどう思われているかどうかは関係なく、だれしもが自分の世界を持っていて、その世界における主人公は自分で、その世界の中で自分は重要な存在だと思っている。

同じ世の中に一緒にいても、人それぞれどのような世界が見えているかどうかは異なるわけですね。

人と接するときは、その人の周囲にはどんな世界が広がっていて(どのように見えていて)、そこで自分はどんな風に価値を発揮していると感じているのかどうか、見えるようになりたいなと思いました。

 

逆説的に言うと、普段自分の重要感を感じられていない人がたくさんいるということか

 

重要感を持たせることが、人を動かすに効果的だということは、普段自分の重要感を感じられていない人がたくさにるということを表しているように思います。

自分はちょうど社会人1年目で、日常生活の大半の時間を会社で過ごすようなライフスタイルになって、どうにも会社がそうさせているのではないかと思うようになりました。

本来人の価値というものを様々な側面から測られるべきものです。

外から見えやすいスキルや、地位(キャリアレベル)といったものだけではなく、誠実さ、自立性、共感性、努力…とたくさんの側面から見れば、だれしもに価値があるはずで。

さらに言えば(自分はそうは思えないですが、)生きているだけで価値がある、なんて考え方だってあったりします。

ただ、時間の大半を過ごす会社の中では、仕事ができる/できないという画一的な物差しで自分を、他人を測ってしまいがちになってしまう。

それは特に外資系の会社や、営業部等、競争の性質が強いところで顕著にみられる傾向なのかなと思います。

互いが互いを尊敬しあって、一つの側面だけでなく複数の側面から人を見て、いいとこ見つけて、あの人はこういうところがすごいよね、あの人はああいうところが素敵だよね、と認め合うことが前提にあるような文化の会社で働けたら幸せだろうなと感じました。

 

重要感の源泉となる資産をわけること

 

もうひとつ読んでいて思ったことは、自分が重要だ、価値があるという気持ちを起こさせる資産も、ある程度分配して持っておいたほうがよいのかなということです。

重要感や、価値があるという気持ちを起こさせる資産というのは、自分にそう思わせてくれる他者やコミュニティのことです。

例えば、持てる時間のすべてを会社とスキルアップに注いで、自分の価値、重要感を仕事に求める場合、うまくいっているときはいいですが、うまくいかなくなった際に非常にもろくなります。

逆に、仕事では日の目があたらないから、と家庭における役割に自分の価値、重要感を求める場合、家族と喧嘩でもしてしまった場合に非常にもろくなります。

そういった資産を複数持っておけば、安心して毎日過ごせるように思います。

 

とはいえ、重要感の源泉を外部に求めること、それ自体が危険を含んでいるように思っていて。外は基本的には自分の思うようにならないので。

自分で自分のここが素晴らしい、とゆるぎなく思うことができれば、それが一番でしょうか。

 

さいごに

 

というわけで、「人を動かす」でした。

きっとこの本に書かれていることは、コミュニケーション能力が高く、人と接するのが好きな人はきっと意識せずとも実践していて身に着けていることも多いように感じました。

とっつきづらそうな本だなと思っていましたが、とても読みやすい文章で、人間関係悩んでたりする人には響く言葉も多いと思いますので、書店で見かけたら手に取ってぱらぱら見てもらえたらと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。