佐藤航陽さん『未来に先回りする思考法』を読みました【読書メモ・忘備録】

佐藤航陽さんの『未来に先回りする思考法』を読みました。

後から振り返るようにメモしておきます。

 

未来に先回りする思考法 読書メモ

 

無駄な努力はないが、報われない努力はある

現状をひたすら効率化し続けることは、目的地への近道を探すことを放棄した思考停止の状態ともいえます。現実の世界は、迷路のようにたったひとつの道しかゴールにつながっていないわけではありません。目的地へのルートは、無限に存在します。 私は、無駄な努力はないと思っていますが「報われない努力」は存在すると考えています。残念ながら、意味のないことはどれだけうまくできるようになっても意味はないのです。 物事は、惰性で進みがちです。「どうすれば現状のやり方を効率化できるか」と考える前に、「今も本当にそれをやる価値があるのか」を優先して考える癖をつけることをお勧めし

世の中の変化が激しいということは、今やっている、これまで経験してきたことがこれまでと同様に必要とされなくなるまでのスピードも速いということ。

特に、めちゃくちゃ努力して獲得した経験やスキルほど、サンクコストバイアスが働いて思い入れも強くそれを生かしたいとこだわってしまいがちですが、あくまで”今も”それが必要とされているのか、という視点を持つことが大事なよう。もっともです。

それでもって、ではどの方面で努力をするべきか、という点では以下の箇所が参考になるように思いました。

どのフィールドで戦うかを考えるときは、より自分の能力が発揮しやすく、かつ将来的に拡大していく可能性が高い「穴場」を選んだ方がリターンは大きいでしょう。結局、価値とは相対的なものですから、市場の拡大に対して人材が足りていなければ一人ひとりの価値は上昇しますし、市場が縮小し人材があふれている場合は下落します。

新しい業界は優秀な人が少ないので勝ち残っていくことはさほど難しくありません。その上、これから大きくなっていく市場であれば、「競争への勝利」と「市場の成長」を一石二鳥で手にでき

ニーズがあって競合が少ないところを探すといいよね、という話です。

ここまでは割と自分でも思ってたところなのですが、その先がまだあってこれがめっちゃ刺さりました。

今のアプリ収益化事業をはじめたときは、とくに深く考えずに「アジアナンバーワン」を目標に掲げていました。でも、その目標が具体的に見えてきたとき、それはある種の「逃げ」なのではないかと思うようになりました。 一番になること自体を目標にできるのは、すでに誰かがルールをつくっておいてくれたおかげです。一番を目指しているようでは、その時点で「永遠の二番手」なのかもしれません。 プレイヤーは、逆立ちしてもルールそのものにはかなわないからです。本当に一番になりたいのなら、自分自身がルールをつくり、誰もいないフィールドに飛びこんで・・

もうすでに成功者がいるフィールドでは、ロールモデルがいて、どうやって昇り詰めていけばよいかみたいな部分はある程度見えています。

そこはルールがわかっていて自分が道をそれているかわかるという点である意味安全なので、

ただ一番になるのなら、本のタイトルにもあるように、未来を先回りしてまだ誰もいないフィールドを開拓していく発想をするのが手っ取り早い。そこには競争もありませんから。

ではどうやって未来を先回りするのか、という点に関しては、過去、歴史を振り返って、変化のパターンを理解して、そこから考えられるこれからの変化を予測すること。

現状がその予測といくら乖離していても、その可能性に勇気を出して賭けること。

周りの人がチャンスだとわかってしまっている状況はもう遅く、自分でもうまくいくか五分五分なくらいの状態でも投資できるかどうかが大事だと言っています。

 

ロジカルシンキングがロジカルなのはあくまで自分の認識の範囲のみ

ここもめっちゃ共感しました。

現代社会の意思決定の場において、ロジカルシンキングはとても重要なスキルです。社内で新規事業のプレゼンをする場合や、経営者が投資家に事業案の説明をする場合、一定の論理性なしに同意を得るのは難しいでしょう。 しかし、ロジカルシンキングは、他人を説得する際には絶大な力を発揮する一方、物事の成否を見極めるには、実はそれほど役に立ちません

なぜそう言えるのかというと、あくまでその人がロジカルに組み立てる論理は、その人が集められた情報の範囲に依存しているからです。

人は全知全能ではないので、自分が知っている情報の範囲内でか考えることができません。

仮にAとBという事実からCという予測をしたとしても、新しくDという事実をしってA,B,Dを踏まえて予測をしたらCにはならない、なんてことは起こりそうです。

著者はそれに加えて、フェイスブックのインスタ買収を例にあげて、そのロジカルな判断も意思決定者の情報リテラシーに依存している、と言っています。

 

社会は、人間が現実を正確に認識でき、論理的に説明できることを前提につくられています。しかし、現実の複雑さは人間の理解力や認識能力を常に超えているため、人間の認識は何度も裏切られます。人間はその度、後付けで合理性をつくることで現実を「理解したこと」にしてきました。 「後付けの合理性」とは、過去に起こった出来事にもっともらしい原因を見つけて、あたかも筋が通っているかのような共通理解を持とうとする行為のことです。

思えば、アクセス解析をするときも、まず仮説をたてて、それを実証できるようなデータを見て、正しいか正しくないか判断して、正しければさらにデータで補強していく、なんてことをやったりしています。

そこから導かれた提案をする際には、まずデータがあって、そこからこんなことが読み取れて、だからこういう提案をします、と説明するけれども、実際は先に提案があってそこに後付けでデータをくっつけて合理性を担保しているんですよね。

 

と、これらを踏まえて、合理的な、論理的なストーリーにこだわりすぎるとよくなくて、将来新しい情報が入ることを前提に、かつ情報がはいったら都度認識を改めなおす心構えで意思決定していくことが大事だそう。

結構じぶんは論理的であることにこだわってしまう部分があるように思っているので、これは意識しておきたいなと思います。

 

おわり

 

未来を先回りするには、過去から変化のパターンを理解することが大事だそうですが、その変化のパターンに関しても著者の分析が章を割いて書いてあります。

気になる人はぜひ読んでみてください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。