改めて読みました。『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』【書評】

ウルグアイの元大統領ホセムヒカさんについての本を読みました。

ムヒカさんについては2,3年前にユーチューブで国連会議のスピーチの映像を見て感銘を受けて、その時関連本を1冊読んでいました。

これから社会人になるにあたって改めて消費社会の罠というかそういうものについて意識を持っておこうと思い、手に取りました。

 

スピーチで語る消費社会批判

 

スピーチで印象に残っているのはハイパー消費社会への痛烈な批判です。

消費が社会のモーターになっている世界では、私たちは消費をひたすら早く、多くしなくてはなりません。消費が都案れば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば”不況のお化け“がみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには、商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、本当なら10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない、、、私たちは、そんな社会にいるのです!

思えばスマホ等電化製品の新製品が出るサイクルはとっても早く、買い替えも頻繁に行う人が多いですが、果たして実用に耐えなくなったから買い替えているのかと考えるとそうでないケースが多いように思います。

 

ムヒカ元大統領はなぜ質素な生活をしているのか。

 

彼は、貧乏とは欲が多すぎて満足ができない人のことだ、と言います。

金銭的に貧しいことは貧乏ではなく、逆にいくらお金を持っていても、欲におぼれて一向に満足できない人のことを貧乏だといいます。

 

これを読んで、買い物依存症っぽい状態だったころのことを思い出しました。

自分は経験があるのですが、あるものが欲しくなると居てもたってもいられなくなって、毎日のように商品情報をネットで収集して、お金が集まっていざ買うと、買った瞬間やそのあと3日くらいは手に入った満足感に満たされるものの、数日たつともう飽きてしまい、また別のものが欲しくなる。ストレスが溜まっているときにこんな不健全な状態になっていました。

思えば、その時は人間関係にトラブルを抱えていて、自分を肯定してあげられなくなっていて、その精神的につながりなりを求める欲が満たされないことを、買い物か何かで紛らわせようとしていたように思います。

物欲が満たされることは、自分にとってかなり大きな刺激で、精神的な満たされなさを紛らわすには比較的簡単に手に入るうってつけの手段です。

ただ、物欲による刺激には問題が2つあって、1つは先ほど書いたように、得られる満足がほぼ持続しないこと。手に入れた瞬間にすっと冷めてしまうことです。

もう1つは、刺激が大きすぎて中毒になりがちなことです。ゲームとかまさに典型的だと思うのですが、簡単に手に入る刺激、というのは中毒に陥り、依存しやすいです。ゲームは、リアルではすぐには得られない自身の成長がとっても簡単に得られる、という点で非常に刺激が強いですよね。(必要でない)ものを買うことも、同じようなことに感じています。

 

買い物依存症のときは、それを治すには、買い物をする(物欲を満たす)ことで埋めようとしている自分の満たされなさが本当は何なのかというところを見極めるのが大事です。(だと思っています。)

 

それでもって、買い物依存症でない普通の人にも、同じことが言えるのだとムヒカさんは言っているように感じました。

 

私たちは、欲しいものがどんどん手に入る生活こそ裕福である、という価値観の中で生きてきたのではないだろうか。一生懸命に働き、働いた分だけお金が入り、そのお金でほしいものを買う。収入が増えると、それだけたくさんの物や、より高価なものが買えるようになり、それが「豊かになる」ことだと信じてきたし、実際、それを張り合いにして働いてきたようなところもあるのではないか。

もっといい物が欲しい、もっと高級な車に乗りたい、もっと大きな家に住みたい・・・・。欲望はエスカレートしていくが、それは生活レベルが上がった証と思ってきたような・・・。

ここまで極端に物質主義な人はいまはほとんどいないように思いますが、まったく当てはまらないなんて言える人も少ないのではないかと思います。

 

結局、幸せになるのに自分に何が必要なのか、自分は何を得れば満たされるのか、ということを自分なりに考え抜いていくことが必要なのだと感じています。

ムヒカさんは物を買うことが幸せに直結するものではないと考えています。物欲を満たすということは、それと引き換えに自分の貴重な時間を労働に割いていると考え、物質的には貧しくとも、自分の好きなことに使える人生の時間をたくさん持つことを重視し、それ(やりたいことをやる時間)や、家族と過ごす時間、友人と過ごす時間、人間関係や愛を育む時間が幸せにつながっていると考えます。

 

現代の消費主義社会は、その維持のために人を物質主義に陥らせるような仕組みになっていて、その中で油断していると物質主義に飲み込まれて幸せを見失いがちです。

一度自分を顧みて、何に幸せを感じて、心が何を求めているのか探る時間を設けてみようと思いました。

 

おわり