『奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの』の感想、レビューを。

タイトルの通り、『奇跡の本屋をつくりたいーくすみ書房のオヤジが残したもの』という本を読みました。

手に取ったきっかけは、吉祥寺にあるお気に入りの本屋さん「ブックスルーエ」で表示が見えるように置かれていて目に留まったことです。

副題にもある通り、この本はくすみ書房という北海道にある町の本屋さんを主人公にした、ノンフィクションのお話です。

メディアにも取り上げらえて、繁盛したお店のようです。

自分は本屋さんの経営に興味があり、今回は「町の本屋(小さな書店)がどんな戦略でもって繁盛したのか」という意識をもって読んでみました。その観点から、本を紹介しようと思います。

 

著者は?

久住邦晴さんです。

1951年、北海道生まれ。1946年に父がくすみ書房を創業、1999年に後を継ぐ。読書離れに歯止めをかけようと、良書なのに売れ行きのよくない作品ばかりを集めた「売れない文庫フェア」などの試みが話題となる。「本屋のオヤジのおせっかい」と題し、中高生に読んでほしい本を集めた「これを読め!」シリーズは道内各地の書店や他県にも広がった。2017年に肺がんのため死去。享年66。

とあるように、くすみ書房の2代目店主で、ユニークな取り組みで本屋を繁盛させた人物です。

 

どうやってくすみ書房は経営を立て直したのか?

 

くすみさんがお父さんから店を引き継いだ時は、かなり経営が傾いて危ない状態だったそう。

くすみさん自身もなんとか売り上げを伸ばせないかといろいろ試行錯誤していたけれど、なかなか結果が出ない時期があったそうです。

そんな中手に取ったのが神田昌典さんの『あなたの会社が90日で儲かる』という本でした。

この本の中で、

「これからは今まで非常識といわれていたことにこそ成功のヒントがある」

というメッセージと、今まで発想になかった

「人を集める」

という着想が印象に残ったそうです。

 

この本を読んで、すぐにではどうやったら人を集めることができるのだろうか、人を集めるプロに話を聞いてみよう!と、FMラジオ局や代理店経営をしていた木原くみこさんに話を聞きに行きます。

そこで教わったことが以下の2点でした。

①マスコミを動かすこと(=新聞の記事に取り上げてもらうこと)

②経営者自身を売り込むこと

 

さっそく、木原さんと話し合って、何をやっていこうか話し合います。

そこで、神田さんの本にあった「非常識」がキーワードになり、売れない本でフェアをする、というアイデアが浮かびます。

大型書店では、購買データをもとに売れる本だけが店舗に残っていくようなシステムができているそう。売れ筋順に本にランク付けがされていて、それを参考にして書店は仕入れるわけです。

しかし、ランクが低いからと言って、それがその本の価値が低い、ということを意味するわけではありません。

そこで「なぜだ!?売れない文庫フェア」を実施。各新聞社へ広報をしたところ、狙い通り取り上げてもらい、売れない文庫がめちゃくちゃ売れ、フェアは大成功をおさめました。

 

さらに、さらにのアイデア

くすみさんはこれだけに終わらず、他にもたくさんの取り組みを行います。

例えば、店内で朗読をするイベントです。

これは当時ベストセラーになっていた『天国の本屋』という本の中で、舞台となる本屋が店内で朗読をすることを売りにしていた、というところから出てきたアイデアだそう。

売れない文庫フェアで目立ったこともあって、この取り組みも新聞に取り上げてもらい、お客さんがたくさん来るようになったそうです。

 

ほかにも、「中学生はこれを読め!」と題して、中学生向けに500冊おすすめの本を紹介するフェアも行います。

一般的に中学生になると読書離れが進み、業界では本をあまり買わない中学生をお客様とは考えないのが常識だそう。

その中で、購入見込みの少ない中学生をまさにターゲットにしてフェアを行ったわけですから、まさに「非常識」が功を奏したのですね。

ちなみに中学生で成功を収めた後は、高校生、小学生バージョンもやってみな成功したそうです。

 

また、「ソクラテスのカフェ」というブックカフェも開きます。

これは、とある雑誌の「著名人に聞く理想の本屋」特集にあげられていた声を参考にしたそうです。

カフェを併設してほしい、だったり、古本も置いてほしい、といった声があり、一方で当時の札幌にはブックカフェがなく、東京でも小規模なものしかなくマイナーな存在だった。ということでオープンしたらこれもまた好評だったみたいです。

 

このように、非常識なアイデアをもとに取り組みを行い、それをマスコミを使って広報することが生き残っていく秘訣だったよう。

一度マスコミに取り上げられると、そのあとも取り上げられやすくなるようです。

それでもってその非常識なアイデアが大事なわけですが、それは業界の常識を疑ってみることからだけでなく、フィクションのお話の中から獲得したり、客の声から獲得したり、と様々。

また経営者を売り込む、という点でも講演会の依頼や取材等も断らずに積極的に受けたそうです。

勉強になりました。

 

おわり

 

非常識なアイデアをうかぶようにするために、お客さん目線で日々過ごすときのこうだったらもっといいのにな、という心の声をメモしたりだとか、やっぱりたくさんの本を読んでインプットを増やすことが大事だなと感じ、そうしていこうと思いました。

また売れない文庫フェアの事例で思ったのは、一見無理そうでもとにかく行動してみることって大事なんだなということです。

正直自分がその時のくすみさんの立場であったら、新聞社にそれ送っても無駄うちにおわりそうだな、、なんて考えてしまって行動しなさそうな気がしていて、ただそれが現実では大成功を収めたわけです。

行動することにリスクがあまりないのであれば、結果なんか気にせずなんでもやってみることは大事に思いました。

 

文量も短くさくっと読めますので、ぜひ書店でみかけたら手に取ってぱらぱら見てみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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