細田高広さんの『未来は言葉でつくられる』読みました。かんたんな感想と紹介を。

『未来は言葉でつくられる』という本を読みました。

読んだきっかけは、バイトでコピーライティングスキルの重要性を認識して、それ関連の書籍でおすすめされていたこと。

具体的なビジョナリーワードの作り方、みたいなノウハウ的な部分よりかは、ことばに対する捉え方が面白かったです。

また、コピーライティングというよりかはなんだろう、事業を立ち上げたりとかしたい人にはかなり刺さるような内容になっているように感じました。

自分のメモ書きもかねて簡単に紹介しようと思います。

 

 

著者、内容について

著者は細田高広さん

一橋大学卒業後、博報堂にコピーライターとして入社。Apple、Pepsi、adidas、Nissanなどのブランド戦略を手がける米国のクリエイティブエージェンシーTBWA\CHIAT\DAYを経て、TBWA\HAKUHODO所属。クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト、カンヌライオンズ、CLIO賞、ACC賞グランプリ、東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、ロンドン国際広告賞など国内外で受賞多数。通常の広告制作業務だけにとどまらず、経営層と向き合って数々の企業のビジョン開発に携わるほか、経営者のスピーチライティング、企業マニフェスト、ベンチャー企業支援、新規事業や新商品のコンセプト立案などを手がけてきた。「経営を動かす言葉」「未来をつくる言葉」といったテーマで学生への講義や社会人への講演も行っている。経営と言葉という、今まで無視されがちだった領域に光を当てる、クリエイターとしては異色の存在。

https://www.diamond.co.jp/book/itemcontents/9784478024195.html

コピーライターといいつつも、本書で書いてあるようにその領域は、”ビジョナリーワード”の考案。

ビジョナリーワードとは、組織とか国の未来を表す場合は「ビジョン」、商品開発の場では「コンセプト」といったような、目指すべき未来を的確に言い表す言葉のこと。

未来をつくる言葉、かっこいいですね。

 

どんな内容か

大きく3つに構成がわかれており、

①言葉が未来をつくるとはどういうことか解説

②国、組織、商品の単位ごとに、未来を作った言葉の事例紹介

③ビジョナリーワード作りのノウハウ

が書かれています。

①②は読み物としてとても面白いですし、③は小手先のものだけでなくて、課題を見つけるところから考え方が書いてあるので参考になります。(事業を立ち上げたいとか思っている人には。)

この本は商品紹介文がとても丁寧に書いてあります。↓

アップル、グーグル、アマゾン、ディズニー、パタゴニア…etc.
熱狂的ストーリーを生み出す「ビジョナリーワード」のつくり方を、気鋭のクリエイターが解説。
商品開発から経営戦略、マネジメント、人生設計まで役立つ言葉の技術が満載。

■熱狂的ストーリーを生み出す「1行の戦略」

ソニーの井深大氏は「ポケットに入るラジオをつくれ」と言って、
トランジスタラジオの開発に乗り出しました。
当時、“家電”だったラジオを持ち運ぶなんて誰が想像できたでしょうか。
けれど、未来は確実にこの言葉から生まれたのです。

「パーソナル・コンピューター」という言葉を発明したアラン・ケイは、
まだ「巨大な機械」だったコンピューターを、
子どもも使いこなせるタブレット端末として思い描きました。
その未来は、アップルによって実現しています。

ディズニーにはアルバイトではなく「キャスト」という言葉あり、
リッツ・カールトンには従業員ではなく「紳士淑女」という言葉があります。

そうした言葉はもはやコピーではなく、未来の目的地を設計し、
熱狂的ストーリーを生み出す「1行の戦略」です。

■見たこともない風景には、言葉が最初にたどり着く

「画期的な商品をつくる!」と言って、結局は今までより大きい・小さいという
現在の延長戦上で議論していることはないでしょうか。
それはビジョンを生み出す言葉がないからです。

まだ語られていない組織のビジョン、まだ世にないプロダクト、まだ誰も知らないサービス。
新しい何かを生み出そうとするとき、新しい言葉が必要になります。

馬車が鉄道に変化するには技術革新が必要ですが、
技術革新の前には必ず「馬なしの馬車」をつくろうとする「発想革新」、
つまり言葉があるのです。

■ビジョナリーが必ず持っているもの

ジョブズ、ビル・ゲイツ、ユヌス、サルマン・カーンにも「言葉」がありました。
ケネディ、ココ・シャネル、ヴィダル・サスーンも、時代をつくる「言葉」を持っていました。
アップル、グーグル、アマゾン、ディズニー、スターバックス、パタゴニアにも
未来をつくり出す「言葉」の戦略がありました。

そんな未来を発明する1行の戦略、「ビジョナリーワード」のつくり方を、
世界を変えた30の言葉を紹介しながら、「本当にそう?」「もしも?」「つまり?」「そのために?」という4ステップ、
「呼び名を変える」「ひっくり返す」「喩える」「ずらす」「反対と組み合わせる」という5つの技法から解説していきます。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00E4G5JXE/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

 

印象に残った内容

言葉は世の中の捉え方でもあり、思考の枠組みでもある

私達は、言葉を通じて目に映る世界を捉え、言葉を使って思考しています。言葉にならないものについては、思考するすべを持たない。言葉は思考の道具であり、思考そのもの。今風に言えば、言葉は思考のOSという側面があるのです。

例として虹が挙げられていました。

日本では「七色の虹」という言葉があるように、虹は7色で描かれるし認識がされます。

しかし、生まれ育つ場所が異なり、言葉も変わると、同じ虹を見ていても7色ではなく6色とか4色とか、見え方は変わります。

世界の虹の色数

  • 日本——-7色
  • 韓国——-7色
  • オランダ—7色
  • イギリス—6色
  • アメリカ—6色
  • フランス—5色
  • ロシア—–4色
  • モンゴル—3色

言の葉手帖

虹には本来無数の色があって、日本には「7色の虹」という言葉があり、そのために無数の色から7つの色を無意識に見出そうとしてしまいます。

このように、世界の捉え方が言葉によって規定されている側面があるんですね。

また、MOTTAINAIの例をあげて世の中の見方だけでなく、言葉によって考え方や思考のあり方に影響が及ぼされることもある。とも述べていました。

 

言葉には世の中の見え方や考え方を変える力がある、ということを認識できれば、それを活用することもできます。

例えばディズニーランドでは、スタッフを「キャスト」と呼び、そこにゲストをもてなすだけでなく楽しませて魅了する役者であれ、というメッセージをこめているそう。

たんにアルバイトと呼んでいたら、従業員の意識はただの金稼ぎに近くなってしまっていたかもしれません。

キャスト、とかオンステージとか、そういった言葉がまず生まれて、その言葉似合わせるように採用や教育が整えられ、また従業員も(アルバイトではなく)キャストと言う言葉にふさわしくあるために努力を重ねる、、、そうして言葉にあわせて現実が理想的な方向に進んでいくことがあります。

そうすると、理想の未来を現実に引き寄せていくために、ビジョナリーワードを掲げることが重要になりますね。

 

貧困は、博物館へ

ビジョナリーワードの事例集のところで好きだったのは、グラミン銀行を設立したムハマド・ユヌスさんが掲げたビジョンです。

ユヌスさん、経済学の博士号を取得するも、バングラディシュの有様をみて経済学理論の無力さを実感し、現地で貧困が生まれる仕組みを特定して、貧困者への少額融資の銀行を立ち上げたそう。

2030年までに、貧困博物館をつくる

貧困というものがもはや博物館でしか見ることができず、むかし世界には貧困というものがあったのか、、と人々がつぶやいているような未来。

ぜひ実現してほしいですね。

 

おわり

事例はたくさん取り上げられており、それぞれに簡潔に背景が説明されているので、読み物としてもとても面白く、最後のノウハウ的な箇所も参考になります。

やりたいことや、熱い想いを、積極的に言葉で言い表していくことは心がけていこうと思いました。

興味がある方はぜひ読んでみてください↓