データから意味を読み解いて、論理的に考えていくのに関しては、職場や集中できる環境が捗ります。
一方で、キャッチコピー考えるとか、クリエイティブなアイデアを出さないといけない時は、職場ではいくら考えても時間がすぎるばっかりでいい案が思い浮かばないことが多いです。
自分の経験上、そういったアイデアは、お風呂につかってぼーっとしている時とか、帰りの電車にゆられてぼーっとしているときとか、公園のベンチでぼーっとしている時にふっとわいてくることが多いです。(とにかくぼーっとしている時です)
それでもって、本屋で立ち読みしていた本で「デフォルトモードネットワーク」という言葉が目に止まり、これがまさに↑の感覚を裏付けてくれるものだったんです。
デフォルト・モード・ネットワークとは、“ぼんやり”と何もしない時に脳が勝手に仕事をしてくれると言う脳内ネットワークの活動を言います。
私達の脳は、話をする、字を書く、食事を作る、服を着る、用を足す、薬を飲むといった意識的なことを行っている時だけ活動し、青い空や海に寄せる波、遠くの山並みを眺めながら何もせずに“ぼんやり”している時などは脳も休んでいると考えられてきました。
はい、自分もぼんやりしている時は脳が動いていないものと思っていました。
今までは、“ぼんやり”している時には、ground state(基底状態)と言って殆どエネルギーを使わないと思われていたのですが、研究の結果、話をするなどの意識的な反応に使われる脳のエネルギーの20倍も使っていることが分かったのです。
意識的な活動に脳はエネルギーをいっぱい使っていると想像しがちだけれども、実はぼんやりしているときのほうが圧倒的に脳のエネルギー使用量は大きいとのこと。
びっくり。
70㎏の人が1日に使うエネルギー量は、約2000Kcalで、骨格に368kcal、肝臓が361Kcal、そして脳は337Kcalと言われています。
ところが、脳の337Kcalのうち話をする、食事を作るなどの意識的な活動に使われるエネルギー量は、5%程度でしかないのです。20%は脳細胞の維持、修復に使われているので、残りの75%が実は”ぼんやり“している時に使われているのではないかと…レイクル博士は言うのです。
レイクル博士というのは、ワシントン大学医学部でニューロイメージング研究をやっている学者さんだそうです。
このぼんやりしている時に脳内でおきている現象を「デフォルトモードネットワーク」と名付けられているとのこと。
ぼんやりしている時に脳がエネルギーをいっぱい使っているのはわかったものの、気になるのは何にそんなにたくさんのエネルギーが注がれているのか、という部分です。
ぼーっとしているんだから普通に考えたらむしろ省エネしてそうなイメージですが、、、
デフォルト・モード・ネットワーク状態になると脳内では、分散しているいくつかの脳領域のネットワーク間で情報の交流が盛んに行われるようになります。そして、記憶やイメージや感情、運動などそれぞれの働きを担う領域同士を関連づけて、つないだり束ねたりするのです。この活動は、無意識の状態下で活性化するわけですが、逆に、脳が意識的な状態へと入っていくと低下してしまいます。
(https://www.tempstaff.co.jp/magazine/ningenryoku/vol38.html)
なるほどですね。
ぼーっとしている時は、無意識下で自分の経験や記憶、知識が整理されているんですね。
だから、自分の中の結びついていなかったところがくっついて、あ!っとひらめきが生じるイメージでしょうか。
脳がこれから起こり得る出来事に備えるためデフォルト・モード・ネットワーク、が様々な脳の領域を繋ぐ脳内ネットワークの活動を統括して、アイドリング状態を保ち、いつでもシームレスに脳が活動出来るようにする重要な役割を果たしていると考えているのです。また、デフォルト・モード・ネットワークは、動機づけにより欲求が産まれた時に、その欲求を意識的な行動に転換する上で重要な役割を果たす脳内ネットワークだともいえます。
自分は近所の公園で、大きな池を臨むベンチに座って本を読んだり、鳥の声を聞いたり、カモを眺めたりする時間が好きなのですが、デフォルトモードネットワーク的な観点からも、こういった時間はムダなんかじゃなくて正解だったんですね。よかった。
創造性を発揮しないといけない仕事を抱えていたら、意図的にぼーっとする時間をとってみてはどうでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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