低山登山にはよく行くものの、2000m超の高い山へはまだチャレンジしたことがなかったのですが、つい先日「赤岳」という2899mの山へチャレンジしました。
そこでプチ高山病にかかり、山のおそろしさを一部体感しました。
富士山等、高い山へこれから登ろうとしている初心者さんは高山病のことをしっかり把握した上でチャレンジしてもらいたいと思い、どんな症状があって、どんな対策ができるのかをまとめようと思います。
赤岳で2000m超えたあたりから急につらくなる
紅葉がそろそろ終わってしまう、ということで登り始めた赤岳。
天気にも恵まれ、気持ちの良い空気の中楽しく登っていたのですが、赤岳鉱泉(標高2300m)のちょい前あたりから体に異常を感じます。
頭ががんがん痛く、ゆっくり歩いているのに動悸が激しく何やらおかしい。
はじめはコンタクトレンズの度数が合っていなくて頭痛くなっているのかな、と思ったのですが、登山仲間に聞いたところどうやら高山病とのこと。
はじめは大したことのない頭痛だったのでそのまま進んだのですが、だんだん無視できないくらいに頭が痛くなってきて、景色やおしゃべりを楽しむ余裕もなくなってしまいました。
足場が悪いから、一歩一歩の衝撃が頭に響くわ、
靴紐を結び直すためにかがんで立ち上がるとまた頭痛がひどくなるわ、
頭痛で集中力がけずられるから、下りが危ないわ
となかなか悲惨な道中です、、、。
というわけで高い山へはじめて登るさいには、きちんと高山病のことを知っておくことが大事だと感じました。
2000m以上のメジャーな山

以下の山にはじめて登る人はとくにきちんと高山病と対策を知っておきましょう。
山名 エリア 標高 難易度 体力度 参考日程 蓼科山 蓼科山 2530m ★ ★★ 1泊2日 浅間山 上信越 2568m ★ ★★ 前夜泊1日 日光白根山 日光 2578m ★★ ★★ 日帰り 光岳 南アルプス 2591m ★★ ★★★ 2泊3日 金峰山 奥秩父 2595m ★★ ★★ 前夜泊1日 白山 北陸 2702m ★★ ★★ 1泊2日 五竜岳 北アルプス 2814m ★★★ ★★★ 2泊3日 鳳凰山 南アルプス 2840m ★★ ★★ 2泊3日 黒部五郎岳 北アルプス 2840m ★★ ★★★ 3泊4日 常念岳 北アルプス 2857m ★★ ★★ 1泊2日 空木岳 中央アルプス 2864m ★★★ ★★★ 1泊2日 鹿島槍ヶ岳 北アルプス 2890m ★★ ★★★ 2泊3日 笠ヶ岳 北アルプス 2897m ★★ ★★★ 1泊2日 八ヶ岳 八ヶ岳 2899m ★★ ★★ 1泊2日 鷲羽岳 北アルプス 2924m ★★ ★★★ 2泊3日 薬師岳 北アルプス 2926m ★★ ★★ 1泊2日 白馬岳 北アルプス 2932m ★★★ ★★★ 1泊2日 木曽駒ヶ岳 中央アルプス 2956m ★★ ★★ 1泊2日 甲斐駒ヶ岳 南アルプス 2967m ★★ ★★ 1泊2日 水晶岳 北アルプス 2978m ★★ ★★★ 2泊3日 剱岳 北アルプス 2999m ★★★ ★★★ 1泊2日
山名 エリア 標高 難易度 体力度 参考日程 聖岳 南アルプス 3013m ★★ ★★★ 3泊4日 立山 北アルプス 3015m ★★ ★★ 1泊2日 乗鞍岳 北アルプス 3026m ★ ★ 日帰り 仙丈ヶ岳 南アルプス 3033m ★★ ★★ 1泊2日 塩見岳 南アルプス 3047m ★★ ★★★ 2泊3日 御嶽山 御嶽山 3067m ★★ ★★★ 1泊2日 赤石岳 南アルプス 3120m ★★ ★★★ 2泊3日 悪沢岳 南アルプス 3141m ★★ ★★★ 2泊3日 槍ヶ岳 北アルプス 3180m ★★★ ★★★ 2泊3日 間ノ岳 南アルプス 3189m ★★ ★★★ 2泊3日 穂高岳 北アルプス 3190m ★★★ ★★★ 2泊3日 北岳 南アルプス 3192m ★★ ★★★ 2泊3日 富士山 南関東 3776m ★ ★★★ 1泊2日 (https://www.momonayama.net/hundred_mt_list_data/sea_level.html)
高山病とは?

高山病とは、一般的に言う「病気」ではなく、低酸素状態に置かれたときに体が順応できずに起こる症候群のことで、「低酸素症」や「高度障害」とも言われています。発症の程度や発症するかどうかは個人差が大きく、発症しづらい人でも体調によっては発症したりと、誰でも起こりうる事です。突然症状が重篤になるものではなく、徐々に様々な兆候が体に現れ始めます。
高山は地上にくらべて酸素が薄いため、それが体に様々な不調をもたらします。
ゆっくり登っているのに異常に心臓がばくばくしていたのは、取り込む酸素が少ないなか、なんとか脳に酸素を送り込もうとがんばってくれていたんですね。
自分の場合は頭痛や動悸が症状として現れましたが、吐き気やめまい、息切れ、ひどい場合には幻覚症状なども出てくるようです。
専門的には、
急性高山病 高所肺水腫(HAPE) 高所脳浮腫(HACE)
の3つが高山病に該当するそうで、
酸素が薄くなって体に巡らず様々な不調をきたすのが、急性高山病
急性高山病をほったらかしにして重くなってしまったものが、高所肺水腫(HAPE)
異常事態に脳に血液が集まりすぎて、脳の毛細血管の圧力が上がってしまい不調をきたすのが、高所脳浮腫(HACE)
だそうです。
高山病になりやすい人

低酸素状態で起こる高山病ですが、なりやすい人となりにくい人がいるそう。
自分は体力あるし大丈夫だろ、と思っていても、体力の有無はそれほど関係ない様子。
はっきりと高山病になりやすい性質の人を見分ける基準はなく、実際に登りに行かないとわからないとのこと。
しかも、、、
この高山病になりやすいかどうかは、それぞれの個人による差が大きく、なりやすいかどうかを調べる方法もありません。また、今までの経験によれば、高山病のかかりやすさは生まれつきのもので、次第になれることもなく、トレーニングによって改善されることもありません。
なれることもなければ、改善もできないなんてそんな無常なことないですよね。
高山病は予防できるのか

とはいえ、性質としては対策できずとも、かかりやすい状況、というのはあるので、それに関しては対策可能です。
高山病にかかりやすいのは、
・前日に睡眠が不足している状態での登山
・貧血気味
といった状態が挙げられます。
自分は今回は前日の睡眠不足な状態で登山に望んでしまったので発症しやすい状態だったのだな、と反省です。
貧血なのは、もともと酸素を運ぶのが通常よりも難しいので、酸素の薄い高山へいったら発症しやすいのは考えやすいですね。
他にも、高山病は自律神経失調症の一種だ、という説もあり、そうであるならば
・生活リズムの乱れ(夜更かしとか睡眠不足とか)
・過度のストレス
・アルコールの過剰摂取
等も高山病にかかりやすい条件といえることができるかもしれません。
事前にできる準備としては、当たり前ですがきちんと体調を整えて、前日にはしっかり睡眠をとることが大事です。
また、登山中には、これもまた当たり前ですが水分補給をこまめに行うことも重要です。
水分が不足しているとどろどろとした血液になり、酸素が上手くめぐってくれなくなってしまいますので、水分補給をしっかりしてさらさらな血液で行動する必要があります。
けっこう気を使いがちな人は、集団で行った際に周りの人のペースが早くても、早いといえずについていってしまうこともあるかと思いますが、それもだめですのでちゃんとペースをあわせてもらうか、先に行ってもらいましょう。
対策グッズ
ちなみにアマゾンで「高山病」と検索したらいろいろな対策グッズがありました。
とにかく呼吸以外で酸素を摂取しようという発想みたいです
おわり
今回は赤岳鉱泉まで行って引き返すことになってしまったのが本当に残念でした(天気がよかっただけに、、)
ただ、高山病というもののおそろしさを身をもって実感できたのは、今後の登山ライフにはとても大きいことでした。
次回赤岳再チャレンジする際には、しっかり体調整えてのんびりペースで登ろう。
高山チャレンジする方は、気をつけてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。