近所の公園に本を読みによくいくようになりました。人も少なくて静かで、池をゆっくり泳ぐカモや、鳥のさえずりを聞きながらの読書はとても気持ちいいですよ。
そんな中、鳥に関心がわいてきたので、よく見えるように双眼鏡を買おうと思い立ちました。
ということで、こんな用途でこんなことを重視してこの双眼鏡を選んだ、という感じのことをまとめていこうと思います。
(※最終的に 「pentax ad 8×25 wp」 というモデルにしました。)
ダハプリズム式8×25に絞るまで

野鳥観察用双眼鏡に適した倍率
バードウォッチングには7~10倍が最適だそうです。
倍率が上がるほど、視界が暗くなり、手ぶれしやすくなるため、倍率が低いほうが性能がよいことが多いそうです。
8倍機の特徴
明るく広い視野を確保出来る。
倍率を抑えているぶん視野が広く、鳥を双眼鏡の視界に捉えるのも容易なため、双眼鏡初心者の方にもおすすめ。
10倍と比較すると明るい像が得られるので、薄暮時や林内などでは特に有利。(ホビーズワールド)
10倍機の特徴
絶対的に距離のある対象の観察に。
猛禽類、シギ・チドリ類、海鳥など、絶対的に距離のある対象を観察するのに有利。
一般的に、8倍と比較した場合には、視野は狭く、暗くなるが、機種によっては殆ど気にならないものもある。(ホビーズワールド)
ポロプリズムとダハプリズム
双眼鏡内のプリズムの構成は2種類あり、それぞれの名前がポロとダハだそうです。
ポロプリズム式はレンズ設計が比較的容易なため、低価格で見え味のよい双眼鏡が作れることがメリットです。
一方、ダハプリズム式は、対物レンズと接眼レンズが一直線にくる構造のため、本体の横幅を短く、全体としてコンパクトにまとめられることがメリットです。
しかし、ダハプリズム式でポロと同じ見え味を目指すにはコストがかかるとのことです。
メッキを施し、プリズムを高精度にして、ダハをポロと全く同じ見え味に仕上げようと思うと、ポロの倍以上のコストがかかるといわれています。
(日の出光学)
見た目も大きく異なります。
ダハ

ポロ

とにかく低価格で見え味重視!ならばポロで、
普段から持ち歩きたい、目立つやつはいやだ、な人はダハでしょうか。
ダハ8×25に決定
メインの目的は、野鳥観察です。ですので、まずバードウォッチングに最適な倍率ということで、8~10mmの倍率に絞り込みます。
倍率が小さいほど、手ぶれがしにくくなるとのことで、倍率は8mmに決定です。
また、一度ヨドバシの双眼鏡コーナーを見に行って、口径ごとに双眼鏡の大きさがどのくらいになるかを把握しました。
32mmクラスからぐんと大きくなり、32mmクラスはがっつり双眼鏡で多少目立つ印象を受けました。また、重さも増すため、25㎜クラスが気軽な普段使いではマックスのサイズに感じました。
また、ダハプリズムとポロプリズムでは、見た目のスマートさと、収納のスペースのとらなさで、ダハプリズム型に軍配が上がりました。
ポロプリズム型はいかにも双眼鏡!な姿形で、それがかっこよくもあるのですが、自分はちょっと人目が気になってしまい持ち出さなくなるような気がしました。
また、ダハプリズム型は同じ口径ではポロプリズム型よりかなり小さくなる上、折りたたむととてもコンパクトになるため、カバンの収まりがよく、日常的に持ち出す機会が増えるように思いました。
いくらきれいに見えようと、持ち出す機会が少ないのでは意味がありませんので、多少の画のきれいさを失っても、ダハを選択です。
事前にメーカー比較
ダハ8×25クラスの各メーカーの1万円以内の4機種を候補にし比較しました。
エントリーNo1:kowa SV25-8 約8000円
エントリーNo2:Nikon スポーツスターEX 8×25D CF 約8000円
エントリーNo3:Pentax AD 8×25 WP 約9000円
エントリーNo4:Vixen コールマン H 8×25 約7300円
カタログスペック
今回比較するのは
A: アイレリーフ(メガネの場合は15mm以上推奨)
B: 実視界(どれくらいの範囲が写るか)
C: 防水性能
D: 最短合焦距離
以上の4点です。(ひとみ径、明るさは4機種とも同じでした。)
Aについては自分はメガネを使うこともあるので、その時も使えるように。
Bについては、飛ぶ鳥を見るときに、すぐに見失わないようにできるだけ広いほうがよい。
Cについては、悪天候時だけでなく、寒い日の室温と外気温の差による結露対策として。
Dについては、バードウォッチングだけでなく、動物園などで使う際に、近くのものを見ることができるように。
A:アイレリーフ
Pentax(21mm) > Kowa = Vixen(15mm) > Nikon(10mm)
B:実視界
Nikon(8.2°) > Vixen(6.3°) > Kowa(6.2°) > Pentax(5.5°)
C:防水性能
Vixenのみ非対応
D:最短合焦距離
Kowa(1.5m) > Nikon(2.5m) > Pentax = Vixen(3m)
点数をつけて、仮候補を決定
点数をつけて暫定総合順位を出します。
各項目ごとに
1位40点 2位30点 3位20点 4位10点 を加算 (同立順位の場合は間をとる。例えば同立2位なら25点。)
自分の優先順位としては B>A>D>C でしたので、
Bの点数は×1 Aは×0.8 Dは×0.6 Cは×0.4 します。
Kowa: 25×0.8(A) + 20× 1(B) + 30×0.4(C) + 40×0.6 = 76点
Nikon: 10×0.8 + 40×1 + 30×0.4 + 30×0.6 = 78点
Pentax: 40×0.8 + 10×1 + 30×0.4 + 15×0.6 = 63点
Vixen: 25×0.8 + 30×1 + 10×0.4 + 15×0.6 = 63点
はい、ニコンが第一候補ですね。
ただ、双眼鏡のスペックはあくまで理想地であって、実際の見え方がカタログスペック通りであるとは限らない、という恐ろしい情報がありました。
ですので実際に見てみて、微妙な違いで迷ったらニコンにしよう、くらいに思っておきます。
ヨドバシで覗いてきた感想と買ったもの

知識をつけてもう一度ヨドバシに行ってたくさん覗いてきました。
まず一番大きく違いを感じるのは、「実視界」です。6.2°と5.5°でとても大きな違いがあります。
kowa,nikon,vixenは広々とはいえないまでもまずまず見えますが、それを覗いたあとpentaxを見ると狭く感じます。
pentaxは対象を絞ってそれを注視しているような感覚で、他は対象のみならず風景もあわせてみている感覚です。
また、Nikonはカタログスペックではとびぬけて実視界が広いですが、kowaと見比べてもそこまで大きな違いを感じませんでした。
画はpentaxが頭一つ抜けてクリアな印象でした。
pentaxを覗いたあと他を見ると、とっても薄い空気の層を通してみているような感覚がありました。
NikonとKowaが同程度で、わずかにVixenが劣る印象です。(pentax以外はあまり変わりませんでした。)
また、ピントリングの固さによる、ピント調整のしやすさの点では、ニコンとその他で差があるように感じました。
ニコンだけ少し固めで、するっとピントを合わせることができませんでした。使っていくうちにゆるんでくるのでしょうか?
というわけで、けっこう悩みました。
見える画はペンタックスが一番クリアで、これがよいのですが、なにしろ視野が狭く感じます。
画をとるならペンタックス、視野をとるならコーワ(ニコンは視野がそこまで変わらないのと、ピントリングの固さでアウト)でとても悩みました。
何度も見比べ、最終的にはデザインの好きなペンタックスを購入しました!
配色と、質感がとておも好みでした。これからがしがし使っていこうと思います!
余談
今回は予算が1万円だったので、上の4機種で比べましたが、もう少し出せるなら
Vixen アトレックⅱ HR 8×25 WP
これがめちゃくちゃよかったです。pentaxくらいクリアで、視野も広くてとても欲しくなりました。アマゾンで1万5千円くらいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。